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オイスターバーブロンブログ
あっさりめの牡蠣にはレモンをひとかけら添えて・・・
今週から広島の牡蠣が始まりました。
牡蠣と言えば広島、日本一の生産量をほこり、歴史的にも江戸時代とも室町時代とも言われる、長い養殖の歴史をも誇ります。
銀座店では『大黒神島』の牡蠣をご用意♪♪
塩気が穏やかで円やか、磯の香りも優しく、クセの少ない、誰もがすっと受け入れられるアクセシブルな味わいです。
今回は王道からちょっと逸らして、、、
『プティ・シャブリ』
を合わせてみました。
『プティ・シャブリ』というと『シャブリ』の影に隠れてしまい、
お店で見かけることも少ないてすが、どうしても格下、または安いシャブリと思われがちです。
ただ、実際は格下でも特段に安い訳でもなく、『シャブリ』とは明確に異なる土壌から生まれたワインを表しています。
土壌はかの有名なキンメリジャンではない、ポルトランディアン土壌。
牡蠣の化石を含まない石灰質土壌です。
牡蠣の化石がなく、粘土層が含まれないということは、
キンメリジャン期と異なる時代に、水深の深いところで形成された土壌ということを示し,
石灰土壌と標高の高さがワインにフレッシュさ、清涼感を与えます。
当然シャブリにも似た味わい、風味はありますが、やや爽やかでフルーティー、ヨード香は控えめです。
もしかしたら、シャブリよりも親しみ易さを感じるかもしれません。
MLF由来の横に伸びるクリーミーな滑らかさと口中をリフレッシュさせる酸を併せ持つので、牡蠣の滑らかさとも相性は良さそうです。
ただ酸はしっかりしているので、そのまま今の大黒神島の牡蠣に合わせるとちょっとワインに比重が傾いてしまいます。
そこで、牡蠣にレモンをひと欠片しぼります。
ワインの酸の強さをレモンが打ち消し、ピュアな柑橘の香りが表れがあっさりめの牡蠣に上品な華やかさが加わわります。
是非、銀座店で珍しいプティ・シャブリと牡蠣の相性を試してみて下さい♪♪
UTPN
2023年 Beaujolais Nouveau 解禁♬♬ ~今年のNouveauは牡蠣と合います!!~
いよいよ解禁しました!
『ボジョレー・ヌーボー』!!!
気になる今年のワードは
『まるで摘みたて果実をそのまま頬張った様な、例年に劣らぬ深みのある味わい』
日本に限らず世界的にも酷暑と大雨に見舞われた特異な年でしたが、ボジョレー地区では比較的恵まれた気候だったようです。
例年よりちょい暖かめな春、開花期以降は理想的な夏となり、真夏も2022年ほど気温は上がらなかったそうです。
夜もしっかり冷え込んだ為、寒暖差も大きく酸が育まれ、果実の生育にも理想的だったそうです。
酸の質も兼ね備える、ボジョレーらしいフルーティーでコクのある仕上がりだそうです。
銀座店ではヌーヴォーと普通の造りを比べられる様に同じ生産者、『ジョセフ・ドルーアン』をダブルでご用意しています。
※ボジョレー・ヴィラージュのVTは2020年です。
牡蠣なのに赤?
と、おっしゃる方も多いと思いますが、
今年のボジョレーは完熟果実というよりミントの様な清涼感を伴うフレッシュな赤系果実が主体で、
しっかりと味わいを導く酸も健在なので、
牡蠣の味わい邪魔することなく、むしろ一体となり余韻に牡蠣の旨味、磯のフレーバーを心地よく残します。
特にヌーヴォーの造り方は貝類に多く含まれる旨味成分の一種『コハク酸』を生成し旨味を感じさせる効果も持ち合わせるので、
牡蠣とも実は相性がよかったりもします、、、が
今年の清涼感は近年まれにみる『牡蠣にあうヌーボー』の年かもしれません!!!
ちょっと冷やしめくらいが牡蠣にはベストですね。
それでもちょっと抵抗を感じる方はブラックペッパーを軽く加えることでよりすっきりとした味わいに、、、
是非、造りの違い、VTの違い、そして【期間限定】の牡蠣との相性をお楽しみ下さい♪
UTPN
いよいよ新酒の季節が始まります♪♬ ~甲州ヌーヴォーと宮城県産珠姫を合わせてみた~
今日は11/3は『文化の日』
そして、『甲州新酒の解禁日』です!
今年の夏はみなさんも記憶に新しいところかと思いますが、とんでもなく暑い、まさに酷暑でした。
雨が少なく、日照に恵まれた今年は、香り、甘味ともに凝縮された、ここ10年で最も優れたヴィンテージの様です。
和梨や青リンゴ。凝縮したというより、豊かに実った、ふくよかな完熟果実。
新酒らしいフレッシュさも持ち合わせ、そこに甲州らしいイースティーな香りや乾いた土の様なトーンが加わります。
酸味は穏やかで柔らかいテクスチャー。
心地よくスーっと奥へ流れていき、香りが口中にフワッと広がります。
品種特性でもある仄かな苦味がフルーツフレーバーをよりはっきりと感じさせ、
フレッシュさと豊かな果実が一体となる優しい余韻を感じます。
合わせる牡蠣は宮城県浜市の一年牡蠣『珠姫』。
こちらもまだ若々しく、優しい甘味を持ち、塩気も穏やかです。
ただ若さ故か少しエグミの様な牡蠣らしさもちょっと感じます。
お互いの優しい甘さとフレッシュさを引き立てるマリアージュを楽しめます♪♪
こちらの甲州の新酒、毎年扱っているのですが、いつも好評であっという間に完売してしまいます。
メーカーさんに追加注文をするのですが、いつも完売で、あっという間に『甲州新酒&牡蠣』キャンペーンが終わってしまいます。
解禁されたての『甲州新酒&牡蠣』のマリアージュを是非お早めに!
皆様のご来店お待ちしています!
UTPN
牡蠣ソース開発中!! ~レモンって、とても大事~
BELON広尾オープンまで2週間ちょい。
本格的に忙しくなってきた様で、統括料理長が銀座店をちょくちょく訪れます。
先日、試作に試作を重ねていたのがこちら、牡蠣のソースです。
オイスターバーにいくと、シンプルに生牡蠣の他、様々なトッピングやソースをかけた牡蠣を見ると思います。
そんな、どの店のソースにも負けない、オリジナリティーのある、そして牡蠣の旨味を引き出すソースを作りたいと試行錯誤していました。
使っているものの詳細はまだお伝え出来ないのですが、今回のポイントは『レモンの酸味』。
最初試作で出てきたソースは単体としても普通に美味しく、牡蠣との相性もなかなかです。
しかし、最終的にはまとまっているのですが、中盤で牡蠣の苦味が一瞬目立ち、気になる人は、ん?!と感じるかと思いました。
また、『ふつう』に美味しいだけだったのでもう一歩踏み込んだソースを求めて、
レモンの量を増やした、酸味の輪郭をはっきりさせたものが用意されました。
最初、ソースだけだと、酸味が目立ち、一瞬強くないか?と思ったのですが、牡蠣と合わせてもみるとどうでしょう、、、
さっき感じられた一瞬の苦味は感じられなくなり、強い酸味も全く牡蠣を邪魔しません。
しかも味わいの視点が牡蠣へとしっかり誘導されます。
牡蠣の味わい、特に甘味がフォーカスされ、隠れていた牡蠣の深みが引き出されます。
牡蠣の個性を何倍にも強く感じさせられるという、ポテンシャルを十二分に引き出す結果となりました。
最後の余韻にはソースに香る仄かな〇〇と△△が、牡蠣の味わいとまとまり、素晴らしいマリアージュを奏でてくれました♪♪
こちらのソース、採用決定ということでしたので、
是非広尾店で〇〇と△△を感じ取って頂ければと思います!
なお、リチェッタは教わってしまったので、銀座店でも出来ちゃったりもします。
先にオススメでやりたいなーなんて思ってるのですが、、、
さすがに、怒られるかな?、笑
UTPN
イタリアンなのにイタリアワインが全然投稿されない件 ~プロセッコと室津の牡蠣を合わせてみました~
秋も深まってきました。
庭の柿も色づき、秋の本格化を感じます。
ふと投稿写真を振り返ってみたら、イタリアワインが全然載ってないことに気が付きました。
なんかフランスワインだらけですね。。。
という訳で、今日はイタリアワインと牡蠣をペアリングすることにしました。
用意したのがプロセッコ
フリウリ-ヴェネチアジュリアの
『ゾーニン』のスペシャルキュベです。
類にもれず、フレッシュでイキイキとした味わい、ムースも柔らかいです。
カテゴリーはブリュットですが、仄かに感じる白桃の様な優しい甘み。
プロセッコらしくもあり、葡萄品種特性なのか造り由来なのか。
世界でプロセッコが流行っているというのも納得の、フレンドリーで、すいすい飲めるワインです。
このゾーニンのプロセッコ、中盤以降に、軽やかですがその存在がはっきりとわかる潮風の様な塩気を感じます。
次第に旨味へと変化していき、ドライな印象を加えます。
最後に仄かな甘やかさが再び現れ、全体を優しくまとめ上げます。
牡蠣の味わいのフォルムでいうと、ミドルからややライト寄りの牡蠣。
産地でいうとバランスタイプの兵庫県の室津や三重県の的矢湾あたりが良さそうです。
実際に室津の牡蠣と合わせてみました。
味わいのフォルムはぴったり合います。
牡蠣の旨味にフォーカスされ、アオサ海苔の様な、濃厚で、深みのある旨味、牡蠣の奥深さを感じさせてくれます。
以前、ニュージーランドのソーヴィニョンブランと合わせたことがあるのですが、
マリアージュによって一段引き上げられ、新たな味わいの創生が誕生したのですが、
こちらはワインによって牡蠣の味わいがフォーカスされ、牡蠣の奥深さを感じ取れるペアリングとなりました。
プロセッコというと、初夏から夏寄りのイメージを持たれる方も多いかと思われますが、牡蠣のシーズンはこれから!
是非、若々しい、フレッシュな牡蠣と一緒に楽しんでみて下さい♪
UTPN
『ミネラル問題』~11月に『ミネラル』をコンセプトにしたBELONがオープンします♪♬
11月に『ミネラル』をテーマにした新しいBELONが生まれます。
『ミネラル』というと、ソムリエに限らず、多くのワイン愛好家を虜にする、
フルーツフォワードの対義語の域を越えた、
様々な議論を呼ぶ、
不思議で魅惑的なワードとなっています。
得体が知られてないけど、感覚的に感じ、使いたくなってしまう言葉。
しかし、ソムリエを始めプロフェッショナルは明確に言葉で説明が出来ないといけない、とも同時に思います。
感覚が故、人それぞれに捉え方があり、多くの意見があります。
僕が最も頼りにする言葉が
『酸・フェノール・サイオリック化合物に由来する洗練されたチョーキーな感覚。
アーシーでフリンティ、後味をクリアーにする』
という、大橋健一MWがピノ・ノワールのミネラルの定義で示した言葉です。
ピノ・ノワールに限らず他のワインにおいても非常にミネラルをわかり易く表現していると感じ、よく使ってます。
また、ソムリエ協会の石田副会長が会報誌でカテゴリー分けされていた
・『フリンティー、ヨード的な香り』
・『金属的な香り』
・『鉱物的な香り』
・『ダスティーな香り』
というのも、ミネラルをよりわかり易くカテゴライズされており、指針となっています。
要は『香りがもたらす、フレーバーへの影響』がミネラルなのではないか?と最近考えている次第です。
また、一種の『こうあるべき』という感覚との差違、違和感を生むものがミネラルなのではないか?とも考えています。
全体的にクリアーで透明感のあるワインに感じ取りやすい印象を受けます。
でも、これらは僕の私見なので責任は持ちません(笑)
人の数だけ、ミネラルの考え方、感じ方があるので、新しいお店のソムリエ、スタッフがどの様なミネラルを表現するかが楽しみです。
さて、そんな今日のお写真が、、、
ドイツ、モーゼルの世界で最もエレガンスのあるリースリングを生み出す畑。
『ヴェレーナー ゾンネンウーア』
樹齢100年オーバーの古木から造られたリースリング
ドクターローゼンの特級畑のものです。
モーゼルらしい伸びやかさだけでは済まない、ラインガウの様な力強くリッチな広がり、そして古木らしい複雑さ。
テクニカルで冷涼産地らしい透明感と、ピンっと張った張り詰めた緊張感の奥に
『ミネラル』
を感じます。
今月、数量限定販売ですので、BELON銀座店で是非お試し下さい♪♪
UTPN
樽香は生牡蠣に合わない?、、、いやいや、旨味の強い牡蠣と一緒に♪♬
待ちに待った新しいワインが届きました♪
ボジョレーの生産者
『ドメーヌ ド ラ マドンヌ』がシャルドネから造った
ボジョレー・ヴィラージュ『ブラン』です!
ボジョレーというとやはり赤、ガメイのイメージが非常に強く、なかなかお店でも白にお目にかかる機会がないですが、
ちょうどインポーターさんから紹介頂いたので思わず注文しちゃいました。
穏やかな第一印象で、青リンゴや洋梨の控えめな香り。
造り方がブルゴーニュスタイルという事で、やはりブルゴーニュ・ブランに似ているのですが、
スミレのお花やアカシヤの花の蜜が湧き出るかの様に現れる、エネルギッシュな印象を受けます。
酸は柔らかく円やか。
軽やかでスッと入っていく一方、オイリーなテクスチャーが口中をサッと乾かしドライな印象を与えます。
樽の香りは上品に溶け込み、仄かなタンニンと苦味がワインに膨らみを加えます。
やっぱり、どこかブルゴーニュと違う、軽やかでドライ、スッキリした味わいです。
これが花崗岩で育ったシャルドネから造られたワインのキャラクターなのでしょうか?
うーん、、、なかなか興味深いですね。
さて、試しに今食べ頃の東北の牡蠣二種類と合わせてみました。
宮城県女川の牡蠣はややあっさりめ、今の時期は比較的シンプルで多少塩気が目立ちます。
岩手県釜石の牡蠣は女川よりしっかりでミドルくらい。出汁の様な旨味がはっきりと感じ取れます。
牡蠣と合わせてみるとまず牡蠣の塩気でワインの輪郭がはっきりとし、単体で味わうより明確でクリアーに感じます。
女川はシンプルでスッキリしすぎているせいか、後味に苦味を強く感じます。
逆に釜石は旨味の強い牡蠣だけに樽発酵由来の溶け込んだ樽香と同調し、牡蠣の甘味が引き出されます。
最初は多少ズレがあるのですが、ジワジワと一体になっていくのを感じました。
ワインも瑞々しいフルーツ香にフォーカスされ、最後は口中を爽やかにリフレッシュさせてくれます。
メルシャンさんの研究で、樽の香りのあるワインは出汁と相性が良いというのがありますが、
それを実感できる組み合わせでした。
BELON銀座店では本日よりご用意がございますので、珍しいボジョレーの白と旨味の強い釜石を是非試してみて下さい♪
UTPN