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2022年5月
五月・・・『R』がつかない月になってしまいました(泣)
こんにちは。
BELON渋谷です。
5月になりました!みなさま今年のゴールデンウィークはいかがお過ごしでしょうか?
そうです!『5月』!『MAY』!です!
『R』の付かない月になってしまいました・・・
牡蠣好きの方でしたら『牡蠣は【R】の付く月に食べろ』という格言を一度は聞いたことがあると思います。
確かに、海水が温かくなると牡蠣の産卵のシーズンになるので、各産地では出荷が終了してしまいます。
産卵してしまうと一気に身も痩せてしまいますし、
牡蠣の産卵期を乱獲から守ったり、美味しい牡蠣を味わうと考えると確かに正しくもありますが、
お店からするとちょっと迷惑な格言だったりします。
『いったい誰がこんなことを言い出したのでしょうか?!』
では、牡蠣の歴史を少し紐解いてみたいと思います。
牡蠣は今から二億年以上前から存在していました。
今と大差ない形状をしており、同じ様なサイクルを繰り返していたそうです。
有史以前の話をすると、人類発祥の地とされる南アフリカのモーセル・ベイでは16万4000年前の貝塚から
オーストラリアでは4~6万年前の貝塚から牡蠣の殻が見つかっており、
かなり古くの時代から牡蠣は食されていたことがわかります。
文明誕生以降も、料理の進化と共に牡蠣も愛され続け、
3世紀のギリシャでは料理書『食卓の賢人たち』に、
4~5世紀のローマでは料理書『アピキウス』にも登場します。
当時は海に捨てた陶器の破片に牡蠣の幼生が付着し、それを他に移し育て、大きくなったら食べるという、
原始的な養殖がなされていたそうです。
そしてなんと、産地による牡蠣の味わいの違いなども議論されていました。
また、西洋だけではなく、アジアでも食されており、
漢王朝時代(BC206~AD220)にはすでに養殖もされていたようです。
中世に入っても愛され続け、
イングランド王ヘンリー4世が前菜で牡蠣を400個食べたとか、
ルイ14世は毎朝牡蠣を70個食べたとか、
数多くの逸話が残っています。
当初は王族や貴族など特権階級の食べ物だったようですが、時代と共に庶民に広まっていきました。
中世ヨーロッパは厳格なカトリックのしきたりに従っており、
水・金・土・祝日や降臨節、四旬節などの肉を断たなければならない日、期間では特に重宝されたそうです。
当時牡蠣は多くの人に好まれていた一方、性的な意味合いを持つ食べ物でもありました。
閉じた牡蠣は処女性や貞操概念と結び付き、
開かれた牡蠣は乱れている象徴でもありました。
1620年のヤン・ブリューゲルによる『聴覚・触覚・味覚』の風刺画にも
牡蠣をむさぼる女性の姿が描かれており、当時の社会的通念が表されています。
さて、そんな中、この節を唱えたのがイングランド王ジェームズ1世の主治医をしていた
【ウィリアム・バトラー】という人で、
その説を印刷物にして有名にしたのが
『ヘンリー・ビュット』という男です。
ヘンリーには気になる女性がいました。その女性の気を引くために特別な食事で誘おうと思いました。
牡蠣を食べに行こうと考えたのですが、当時先程の様な特別な意味合いを含んでいる食べ物でしたので、
自分に下心があると思われてしまうのではないか?と、心配したそうです。
そこで彼は『牡蠣は【R】の付く月に食べた方がいい』と知的に誘えばそう勘繰られないのではないか?
と考えこの説を使って誘ったそうです。
気になる女性の為に頭を悩ますのはどの時代も変わらないようですね。。。(笑)
では、現代に時を戻しましょう。
そんな牡蠣も現代では科学や技術の進歩もあり、一年中楽しめるようになりました。
例えば、三倍体の遺伝子をもつ産卵しない牡蠣の開発もそうですし、
輸送技術の発達で世界の牡蠣を輸入することで夏場も楽しめるようになりました。
水温の違いを利用して成長するペースを調整する生産者もいます。
そして、なんといっても日本には夏場も美味しく楽しめる『岩牡蠣』もあります。
と、いうわけで現代の日本では『R』のつかない月でも
牡蠣を安心して・安全に・美味しく・楽しめるようになっているのです!
なので、これから四カ月ほど『R』が付かない月が続きますが、
安心して、是非!BELON渋谷に牡蠣を味わいにいらして下さい!
お待ちしています♪♫
par UTPN