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渋谷のオイスターバー ブロンの牡蠣やワインにまつわるブログ
牡蠣に合う白ワイン、とは? ~その①~
こんにちは!BELON渋谷です。
暖かい日が続きますね。岩牡蠣も始まり、真牡蠣は来る産卵期に向けてふっくらと濃厚に、
冬場とも一味違うコクのある牡蠣に成長しています。
BELONでは様々な産地の牡蠣とワインを楽しんで頂ける様、ワインも様々な産地をご用意しています。
牡蠣といえば、、、シャブリ!
いやいやミュスカデも捨てがたい。南フランスだったら魚介に合うといえばピクプール!カシー!
海のワインといえばリアス式海岸の語源にもなったスペインのリアス・バイシャス。
イタリアンのお店なんだからイタリアのヴェルメンティーノに南イタリアのファランギーヌ、フィアーノ、、、
やっぱ日本人として日本の甲州も外しがたい。。。
などなど、、、きりがないですね。
お客さまにとって楽しみでもあると同時に、オイスターバーのサービスにとっても永遠のテーマでもあります。
そこで今回は『牡蠣に合う白ワイン』というテーマで書きたいと思います。
まず、ワインをそれだけで飲んもおいしいですし、牡蠣もそれだけで食べても美味しいですよね!
でも、ワインを一口飲んで、その後に牡蠣を食べると、、、
磯の香りも甘みも広がって、深みもあり、さらに美味しい!旨い!と感じますよね。
どういう事なんでしょうか?
まずは、その『さらに美味しい』についてアプローチしてみたいと思います。
旨味ですが五味の一つとして知られています。
味覚として認められるにはいくつか条件があり、そのひとつが、
『その原因物質を受容する受容体が存在する』です。
旨味は大きく分けて2種類あります。
昆布などに含まれる『アミノ酸系』と、茸やカツオ出汁などに含まれる『核酸系』です。
そして、それぞれの受容体は異なる為、一つの旨味の受容体には二種類の受容体が存在します。
他味覚の受容体では原因物質が受容体に結合し感覚を感じるわけですが、
旨味受容体では片方の物質が結合すると変形しその物質をホールドします。
そのホールドした状態で他方の旨味物質が結合すると旨味をより強く感じられ、
個人差はありますが、その強さは7~10倍にもなります。
白ワイン単体では個人が感じるアミノ酸系旨味の閾値は低く、なかなか感じにくいレベルにあるのですが、
牡蠣を含め魚介は核酸系旨味を豊富に含む為、この『相乗作用』により旨いと感じることが出来るわけです。
次に、メルシャンさんの研究で面白いものがあります。
魚介には白ワインが合うといわれますが、たまに生臭さが際立つことがあります。
生臭さの原因は『魚が持つ脂肪酸とワインの持つ鉄分が反応し、生臭さの原因物質を発生させる』ことにあります。
そこで魚介とワインを美味しく楽しむには下記が挙げられます。
①原因となる鉄分が少ない産地、品種を選ぶ。
産地、育て方で個体差がある為、明確には言えないですが、日本の甲州は比較的鉄分が少ないらしいです。
②シュール・リー製法のワインを選ぶ。
澱と寝かし沈殿する際、ワイン中の鉄分を取り込みながら底に溜まるので鉄分が少なくなるそうです。
③料理にレモンをかける。
レモンと鉄分が反応し、脂肪酸との反応を妨げるそうです。
④オイルをかける。
オイルが不快な臭いを吸収してくれるそうです。
⑤酒精強化ワインを選ぶ。
鉄イオンですが通常はFe2+なのですが酒精強化ワインはFe3+の為、脂肪酸と反応しにくくなるらしいです。
⑥魚介に火を入れる。
火をいれることで脂肪酸が変質し鉄分と反応しなくなる。
同じくメルシャンさんの研究で『樽のきいたワインは出汁と相性が良い』というものもあります。
ポン酢出汁や、シンプルに出汁を挟むことで
『樽のきいた白ワインは生牡蠣と相性が悪い』という定説を覆すヒントになるかもしれません。
樽のきいた白ワインというと一般的にマロ・ラクティック発酵(MLF)をしているものが多いです。
MLFとはワインに含まれるリンゴ酸を乳酸に変える発酵プロセスの事で、
減酸効果やテクスチャーを柔らかくする、複雑味をもたせるなどの効果があります。
酒類総合研究所の検証実験によると
リンゴ酸、酒石酸は料理の後味を軽くし、余韻を短くします。さっぱりさせる効果があります。
乳酸は余韻を長くし、旨味や食材の味わいを深く感じさせるそうです。
さっぱりとした食材にはリンゴ酸・酒石酸主体のワインでさっぱりと。
深みのあるある牡蠣にはMLFのワインでじっくりと。
さくさく食べたい時、じっくり味わいたい時、、、
その人の好みやシチュエーションに合わせて組み合わせると様々な選択肢が出てきそうですね。
さて、長くなってきましたので理屈のお話はこのくらいにして、、、
本日おすすめするのがこちら!!
室津の真牡蠣とコトー・ブルギニョン!
今、兵庫県の室津の牡蠣も旬を迎えており濃厚で、後味に仄かに甘みを感じさせます。
そんな室津の牡蠣を引き立てるのがこちらのコトー・ブルギニョン。
アリゴテ主体70%にシャルドネ30%。
MLF由来の爽やかで柔らかい酸が牡蠣の旨味をじわじわ引き出し、
アリゴテ由来の心地よい苦味が牡蠣の甘みを引き立てます。
牡蠣が持つ塩気、旨味と調和し、滋味深い長い余韻をつくります。
ぜひBELON渋谷で味わってみませんか?
par UTPN
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